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つっぱり、保湿が気になる人のための原材料オイルの選び方と、人気オイル8選

お肌にはオイルがいい――というのはもはや一般常識の範疇ですが、どうしてオイルはいいのでしょうか。
それは、体内にはさまざまな油脂成分があり、表面を包んで外部刺激からお肌を守ってくれている皮脂も、成分のほとんどが油脂で構成されているからです。
では、一口にオイルといっても様々な種類がありますので、化粧品の原材料オイルは何を選んだらよいのでしょうか?

美容オイルの使い道・目的

皮脂成分の構成グラフ

皮脂はトリグリセリドが最も多く、次にワックスエステル、スクアレンが続きます。

●保湿目的

乾燥を防ぐ「保湿」を目的にするなら、お肌を乾燥から守ってくれている皮脂の主要成分を多く含むオイルが適しています。
皮脂の3大成分とはトリグリセリド、ワックスエステル、スクアレンですが、抗酸化力が高い植物由来のオイルがよいでしょう。
特に、皮膚の常在菌によって時間経過とともに分解されていってしまうトリグリセリドを補給することは効果的なので、オレイン酸(トリグリセリド)を多く含む植物オイルを補給することは保湿目的におすすめです。
また、過乾燥がひどいときはオイル100%のタイプ(剤形)のものを使うと高い保湿効果が得られますが、お肌の状態がそこまで悪くないなら、ベタつきにくいクリームやジェル、またはオイルと美容液を混ぜた2層式の美容液もおすすめです。
なお、全成分表示は比率が多い順に記載されるルールなので、全成分一覧の2番目か3番目、水のすぐ後に保湿目的のオイルが記載されている商品を選ぶのがポイントです。

●角質の柔軟化目的(導入剤)

化粧水などが浸透しやすくするための導入剤として、お肌の角質を柔らかく柔軟にすることを目的に使うオイルなら、植物由来の100%オイルが適しており、洗顔後すぐに使うのがコツです。
また、乳液やクリームを使うなら、もともと角質に浸透しやすい性質のオイルを配合しているか、角質に浸透しやすいようにオイルの粒子を細かく加工しているものを選んでください。
お肌の角質に浸透しやすいオイルは、髪に使えば指通りがよくなり、爪に使えば割れにくくなります。

●マッサージ目的

お肌の「マッサージ」を目的として使うなら、皮脂の主要成分であるトリグリセリド、ワックスエステルのオイルが、お肌になじみやすくおすすめです。
アロマテラピーでベースオイルに使われているのも、トリグリセリドが豊富なツバキ油や、ワックスエステルが含まれるホホバ油などです。
なお、最も肌摩擦を起こしにくい剤形は100%オイルですが、ベタつくのが嫌な人や、マッサージと同時に美容効果を高めたい人には、他の美容成分が配合されたクリームや乳液が便利です。

●顔用と全身用はなぜ分かれてる?

なお、化粧品は「顔用」とか「全身用」とか、使う部位を指定しているものがありますが、区別されている理由のひとつが、身体の部位によって皮脂を分泌する「皮脂腺」の密度が違うからです。
顔に比べて腕や足は皮脂腺が少ないために乾燥しやすく、全身用を顔に使うとベタつきを感じるかもしれません。
また、顔は敏感なので、顔用化粧品は原材料の種類や配合比に繊細な配慮がされているものが多く、全身用に比べると高価です。
効果を求めるなら、顔用を全身に使うのはかまいませんが、全身用を顔に使うのはおすすめしません。

化粧品原材料としての3分類

化粧品の原材料として使われるオイルを由来系統で分ければ、鉱物由来、植物由来、動物由来の3つの分類があります。
スキンケア効果を期待するなら、植物由来か動物由来のオイルがおすすめです。

●鉱物由来オイル

主に石油を精製して不純物を取り除いたオイルです。
化粧品の原料としてもたくさん利用されていて、代表的なものが「ワセリン」ですが、お肌の表面に油膜をつくり、水分の蒸発を抑えたり、表皮を保護したりする効果があります。
また、鉱物由来オイルは主に炭素と水素で構成されているため植物由来オイルや動物由来オイルに比べて性質や性状が安定しているという特徴があります。
ただし、鉱物由来であるがゆえにお肌に浸透しにくく、栄養素も含まないので、スキンケアとしての効果は期待できません。

●植物由来オイル

アルガン種子、ホホバ種子、ツバキ種子、オリーブ果実、ココナッツ種子、バラ果実(ローズヒップ)など、植物の種子や果実を搾ったり、抽出してできるオイルです。
保湿効果が高く、お肌に有用な栄養素を豊富に含んでいるため、スキンケア効果もあります。
皮脂と似た成分のものが多く、肌なじみや浸透性に優れているという特徴があります。

●動物由来オイル

動物の内臓や皮下脂肪から抽出したオイルのことで、動物由来であるがゆえにヒトの皮脂にも似ていて、栄養素が豊富です。
代表的なものとしては、馬の皮下脂肪を原料とした「馬油」や、深海ザメの肝臓から抽出した「スクアレン」があります。
ただし、動物性油脂は低温だと固まりやすくなり、動物臭が強いものもあります。

人気の原料オイル8選

●アルガン種子油(紫外線対策)

モロッコの南西部に生育する「アルガン」の木の硬い実をすり潰して抽出するオイルです。
手間がかかる割に1〜2%しか抽出できない貴重なオイルですが、ビタミンE、オレイン酸、リノール酸を豊富に含んでいて抗酸化作用が高く、肌の表面に皮脂膜をつくって角質層の水分が蒸発しないようになる「エモリエント効果」があり、紫外線からお肌を守る効果に優れています。
サラッとしたテクスチャーで、さまざまな使い方ができます。

●ホホバ種子油(バリア機能)

ホホバ油は、ホホバ(Simmondsia chinensis)の種子を原料とする植物油で、皮脂中で2番目に多いワックスエステルが含まれていて、サラッとしたテクスチャーです。
ワックスエステルとはお肌のバリア機能を保護して、水分と栄養分を保持しますが、皮脂中で最も多いトリグリセリドの働きを補助すると思えばよいでしょう。
なお、ワックスエステルを含んでいる植物油は、ホホバ油だけです。比較的安価ということもあり、アロマテラピーのベースオイルにも広く使われています。低温では固まりやすいオイルです。

●ツバキ種子油(保湿効果)

保湿効果、紫外線防止効果、抗酸化力に優れた日本原産「ヤブツバキ」の種子油で、皮脂の主成分のトリグリセリドを植物油で最も多く80〜85%も含むオイルです。このため、時間経過とともに分解されて減ってしまうトリグリセリドの補給には最適です。トリグリセリドはオレイン酸と呼ばれることもあります。
海外産の椿類の油など、ヤブツバキ以外の椿類の油はトリグリセリドの含有量が日本固有種である「ヤブツバキ(Camellia japonica)」の種子油より5%〜10%ほど少なくなります。

また、ヤブツバキ種子油の主要産地は伊豆大島などの伊豆諸島と、九州の五島列島ですが、全国合わせて年間ドラム缶300〜400本ぐらいしか収穫できない、とても希少な油でもあります。このため、他の椿類のオイルとブレンドして使われていることが多くあります。
では、ヤブツバキ種子油と他の椿油を見分ける方法はといえば、化粧品の「全成分」表記でわかります。
実は、化粧品の原材料として「ツバキ油」とカタカナ表記できるのは国産ヤブツバキの種子油だけで、ヤブツバキの種子油以外は「椿油」「つばき油」「カメリア油」など、カタカナの「ツバキ」以外で記載するよう厚生労働省によって規定されています。
また、具体的な配合比まではわかりませんが、全成分表示では1%以上含まれる原料は多い順に記載するルールですので配合の有無や多寡が判別できます。

●オリーブ果実油(保湿効果)

抗酸化力に優れたオレイン酸が豊富に含まれていることで有名なオイルで、オレイン酸の含有量は70〜75%ほどあり、その他、ビタミンE、ポリフェノール、スクアレンも含まれています。
固い種子の中身を搾る種子油ではなく果実油であるため搾油しやすいという特徴があるため、種子油に比べて安価で、大量に流通もされているのでイタリア料理など食用としても多く用いられています。
また、化粧品用の原料は食用より高精製されているために食用よりは高価になりますが、オリーブオイル特有の臭いは薄くなっています。
乾燥による小ジワ、ハリ、ツヤといった、エイジングサインが気になりだした人におすすめです。

●ひまわり種子油(抗酸化作用)

世界に60種類ほどあるといわれるヒマワリの原産地は北アメリカ中西部で、ネイティブアメリカンによって食料、薬として栽培されていました。
ヒマワリの種子から抽出する油は、オレイン酸、リノール酸、ビタミンA・D・E、ミネラルなどが含まれており、豊富に含まれるビタミンEによって活性酸素を抑制して、肌を健康に保つ抗酸化作用があります。
また、オレイン酸による保湿効果もあります。

●シアバター(保湿効果)

ナイジェリア、マリ、ガーナといった西アフリカの国で育つアカテツ科の「シア」の木の種子の胚から得られる植物性脂肪で、保湿効果が高く、リップケア、ヘアケアなどにも使われています。
また、傷や傷跡、火傷の手入れや、かゆみ止め、赤ちゃんのへその緒の手入れなどにも用いられ、さまざまな機能を併せ持つ多機能原材料として注目されています。

●スクアラン(水分蒸散防止)

深海ザメの肝臓やオリーブの果実などから抽出されるオイルです。よく似た名前の「スクアレン」がありますが、こちらは原料の天然油で、「スクアラン」はスクアレンに化学的に水素を添加して、酸化しにくく安定状態にさせたものです。化粧品の原料としては安定状態のスクアランが使われます。
スクアレンはもともと人体に存在する油で、皮脂中でも3番目に多い成分です。お肌の表面を覆って水分の蒸発を防いでくれますが、加齢とともに減ってしまう油でもあります。サラサラして使いやすい反面、鉱物油のようにお肌の内部には浸透しづらい特性があり、外側を包むラップのような効果があります。

●馬油(保湿効果)

馬の脂肪から抽出したオイルで、保湿効果に優れ、同じ哺乳類であるヒトの皮脂に近いのが特徴です。
火傷や肌荒れの薬として昔から親しまれてきましたが、「セラミド」が多く含まれているため、美容効果も高いオイルです。
常温で固まりやすいため、ベタっとしたテクスチャーですが浸透はしやすく、仕上がりはサラサラになります。ただし、材料としては動物臭があり、酸化もしやすいオイルです。
臭いが気になる人は100%オイルよりも、上手に配合したクリームなどの化粧品がおすすめです。

おすすめ化粧品

ツバキ種子油を配合した保湿クリーム

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