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#シミ対策

最上のシミ対策は、日光を遮ることと濃くなる前に予防すること

シミ3大要因、主犯は日光

わずか0.1〜0.3mmの厚さの皮膚の表皮細胞が4層にわかれている。

シミとは、主に顔に現れる茶色や灰色の斑点のことです。目の下や頬など顔の両側に現れ、厚さ0.1〜0.3mmのごく薄い表皮の一番下の層から発生します。
薄い表皮は、さらに4層に分かれていて、一番下の基底層にあるメラノサイトがシミの元になる「メラニン」を作り出します。

●日光(紫外線)

シミができたり、悪化させる要因には大きく3つあります。
まず第一として、日光は最も重要な悪化の要因で、よく知られているように、日光の中でも特に紫外線が問題になります。
表皮細胞が紫外線を浴びると、メラノサイトに信号が送られ、メラノサイトはメラニンという色素を生成して、細胞内のメラノソームという小包に蓄積します。
蓄積された黒い色素のメラニンはメラノサイトからケラチノサイトに送られ、表皮細胞であるケラチノサイト内に止まって、紫外線から細胞核を保護する作用をします。
夏場の海辺で体を焦がせば肌が黒くなるように、シミも日射しと密接な関係があります。
このため、シミは日射しが強い夏に強くなり、日射しの弱い冬には弱くなります。

●ホルモン

シミは「妊娠のしるし」という別称があるほど妊婦によく見られる症状でもあります。
50%〜70%の妊婦にしみが生まれ、特にシミが多い患者は、妊娠したときに初めてしみが生じたという人がたくさんいます。
また、避妊薬もシミを誘発する主な原因のひとつです。避妊薬を服用する4人に1人の割合でシミができます。
多くの場合は避妊薬の服用を中止したり、出産後数ヵ月内に症状が好転しますが、数年以上続く人もいます。

●遺伝

家系にシミがあるときに発生頻度が高いため遺伝的要因が作用すると推定されていますが、遺伝的な要因は先天的なものなので日常的な対処は難しい面があります。
また、遺伝的な要因にせよ、妊娠や避妊薬などによるホルモンの変化にせよ、紫外線を受けるとメラニン細胞が活性化するという要因にせよ、3つの原因が全ての人に介入するわけではありません。
つまり、妊娠経験のある人だけにシミができるとは限らず、この3つの他にも様々な不明な原因によって発生することもあります。

皮膚の代謝サイクルは加齢で伸びる

ターンオーバーの仕組み

基底層にある表皮細胞が分裂して押し上げられ角質になっていくサイクルがターンオーバーですが、新しい肌に再生されるサイクルは加齢によって長くなっていきます。

表皮の一番下の基底層にある表皮細胞が分裂して徐々に押し上げられ、栄養分が吐き出され、最後には細胞核のない死細胞の角質に変化して剥がれていきます。
これがターンオーバーと呼ばれる代謝で、10代〜20代の年齢ではおよそ28日のサイクルで起きます。
角質となってはがれるとき、紫外線を浴びて作られたメラニンも細胞と一緒にはがれるため、一時的に日焼けした場合には約1ヵ月後には消える仕組みになっていますが、年齢を重ねるとターンオーバーサイクルが長くなるので、消える時間も違います。
10代〜20代は約28日ですが、30代は+3〜4日、40代は+6〜7日、50代は+12〜14日、60代は+16〜18日、70代は+21〜25日、80代になると10〜20代の2倍を超える+30〜35日と、年齢を重ねるにつれて新しい肌へと変わる期間も長くなります。

濃くなる前の6つの予防法

シミの3大要因のうち、日常的に対処できるという意味でも、影響の大きさとしても、シミの治療と予防には日光(紫外線)の遮断が最も重要です。
後述するレーザー治療などを施術しても、紫外線を徹底的に遮断しなければ、お金をかけたシミ治療もいずれ効果がなくなってしまいます。
妊娠に関係するシミの場合、紫外線に当たる時間や強さに注意すれば自然に消えていく場合もありますが、油断すれば出産後もシミが残ってしまうことがあります。

●UVカット

第一の対策としては、予防を重視し、顔、首、腕、手など、すべての露出部位には夏冬関係なく毎日、太陽光を遮断するUVカット剤をこまめに塗ることです。
紫外線は曇った日でも、晴れた日の60%ほどの強さで雲を突き抜けてお肌に影響を及ぼしますので、一日中雨が降る日でないなら、曇った日も日射しの遮断に気を使うのがよいでしょう。
日光を遮ることは、シミだけでなく、シワを予防することにもなります。

●美白有効成分

第二に、厚生労働省に認められた美白有効成分を配合した医薬部外品や化粧品を日常的に使ってゆっくりメラニン対策することです。
医薬品に比べ効果が穏やかなため、治療ではなく、今日浴びた日射しのダメージは今日のうちに対処するというデイリーケアで、UVカット剤と合わせて使うと予防にも効果的です。

●医薬品

第三は、医薬品による対策です。
できれば上記の2つの予防対策でシミの発生自体を抑えておきたいところですが、既にできてしまったシミを早く対処したいという場合は、ヒドロキノンやアゼライン酸などの医薬品を塗り続ければ化粧品よりも早く大きな効果が得られます。
ただし、治療になるので医師の処方箋が必要になります。
病院にいくのが面倒だからといって、説明書等がないなど薬機法ルールが遵守されていないシミ薬には禁止されている有害物質が混ざっている可能性があるので、非合法な薬は使用してはいけません。

●化学ピーリング術

第四に、化学ピーリング術です。
化学ピーリングとは、化学薬品を利用して皮膚を薄く剥く施術です。皮膚表面に軽い火傷を負わせ、傷ついた皮膚層をはがしてシミを減少させます。
果物酸をはじめとする各種化学薬品を使用しますが、シミ対策としては効果が高いです。塗り薬と一緒に施術を受ければ效果が高まります。
しかし、場合によっては生活に支障をきたすほど肌の表面が数日間たくさん剥がれることがあるため、社会生活をするに当たっては不適切である場合もあります。

●ビタリオン手術

第五に、ビタミンCを浸透させるビタリオン手術です。
ビタミンCは抗酸化剤として働き、活性酸素による皮膚の損傷を防ぐ効果があります。
この原理を活用して、電気泳動法で肌の中にビタミンCを浸透させるビタリオンという施術法が開発されました。
副作用がほとんどなく、治療による痕跡が現れないため、生活に支障をきたさない軽い手術です。
この施術法は、メラニン形成を抑制してシミに役立ち、コラーゲン形成を促進して老化と小ジワ予防にも效果的です。
ただし、いくら軽いからといっても手術ですから、やりすぎには注意してください。

●レーザー治療

第六に、レーザーを利用してシミが生じた皮膚層を取り除くレーザー治療(IPL)があります。
現在、日本では、シミの元となるメラニン色素を排出し、破壊してシミを取り除く治療法であるレーザー治療が最も一般的な方法として知られています。
他にも、シミの元となる色素に反応する光を皮膚に照射してシミを徐々に薄くする治療法である光治療もよく知られています。
これらの治療法と並行して、シミ予防に効果的な薬剤治療を施すことで療効果を高める複合治療が行われています。

シミができやすい遺伝子と日本の化粧品

古代人の日本への流入図

まずシミになりやすい遺伝子をもつ縄文人がロシア方面からの北方ルートで渡来し、後に弥生人がアジア地域から南方ルートで流入したと言われています。
現在でもシベリアのバイカル湖周辺で暮らす先住民のブリヤート人と私たち日本人は、DNA的にも、発掘された遺跡による考古学的な視点でも、とても近い人種だそうです。

●シミができやすい日本人の遺伝子

「MC1R」というメラニン合成のカギとなる遺伝子がありますが、日本人には、縄文人から伝わったシミになりやすいタイプの遺伝子を持つ人が多くいます。
このタイプは近隣の中国人や韓国人にはなく、東・東南アジアでは日本人にだけにある遺伝子で、北方ルートで日本にやってきた人々の遺伝子と考えられています。

国立科学博物館所蔵の縄文人の遺骨を調査したポーラ化成工業の本川智紀博士(理学)の研究成果によると、シミができやすいタイプの遺伝子を持つ縄文人の割合は、何と100%だったと報告されています。
後に南方ルートから渡来した弥生人等と混血したとはいえ、縄文人の血を受け継ぐ日本人は、現在でもシミができやすい民族です。

●白い肌を理想とする日本文化

一方で、平安時代から日本独自で発展してきた和化粧の3原色といえば、お歯黒や眉墨の黒、おしろいの白、口紅の赤です。白といえば現代なら歯ですが、明治時代前半までは歯は黒くするもので、肌は雪のように真っ白くするのが美しいという美意識でした。
明治時代後半に洋風化粧が主流になって、肌は自然な色に仕上げるものに変わっても、色白な肌に憧れるという美意識は現代まで脈々と生きています。

その後、日本人が日焼けした肌を健康な色ととらえるようになったのは、大正末期から昭和初期に、テニス、ゴルフ、スキー、海水浴といったスポーツブームが起きてからで、本格的には、ヨーロッパのバカンスブームの影響によって起きた昭和40年代の日焼け肌の流行からです。
そのブームも紫外線が肌の老化原因ということがわかると下火になり、元の「白い肌志向」に回帰していきました。

●体質と文化の狭間で発展してきた日本の化粧品

日本の化粧品の歴史とは、他国民族に比べてシミになりやすい自らの遺伝的体質をもちながら、文化的な美意識としては白い肌を理想とする、相反する消費者からの要求に向き合ってきた歴史です。
その消費者ニーズが日本のスキンケア化粧品を鍛え、発展させたとも言えるでしょう。
このため、海外でも日本のスキンケア化粧品は評価が高いですし、日本国内にはメイク系よりスキンケア系の化粧品工場が多く存在します。

予防するなら美白有効成分に注目!

シミを予防しようとするなら化粧品等に配合される美白有効成分に注目するとよいでしょう。
美白有効成分を配合した化粧品によるメラミン対策は、人体に対する作用が緩和であるため予防的で、医薬品による治療や施術に比べて副作用等のリスクも少なく安心です。
美白有効成分とは「メラニンの生成を抑え、日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ効果」が厚生労働省に認められた成分のことです。
その働きは、(1)メラニンの生成抑制(メラニンを作る働きを抑制してシミを作らせない)、(2)メラニンの色素還元(黒いメラニンの色素を白くしてシミを薄く見せる)、(3)メラニンの排出促進(肌のターンオーバーを促し、皮膚に溜まったメラニンを排出する)という3つの効果で、これまでに20種類ほどが認められています。

日本では「薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)」によって化粧品に「美白」とは記載できませんが(医薬部外品として登録された製品は、同じ成分を配合しても「美白」と記載できます)、アルブチン、プラセンタエキス、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、4MSK、カモミラET、ハイドロキノンの7種類の美白有効成分が化粧品にはよく使われています。
不足しがちなお肌の水分や皮脂が適量なら、より効果的です。

美白有効成分7選とは

●アルブチン

コケモモやラ・フランスなどを原料とした成分で、メラニン生成を抑え新たなシミを予防します。
皮膚科が使う美白剤「ハイドロキノン」を改良したもので、ハイドロキノン誘導体と呼ばれることもありますが、ハイドロキノンより毒性が弱く低刺激だという特徴があります。
簡単に違いを言えば、アルブチンはこれからできるシミや肝斑の予防に役立ち、ハイドロキノンは既にできてしまったシミや肝斑の色を薄くする作用があります。

●プラセンタエキス

豚・馬などの胎盤(プラセンタ)や鮭の卵巣膜から抽出する成分で、メロンの種から抽出する植物性プラセンタと呼ばれるものもあります。
プラセンタエキスには、メラニン生成を抑えるシミ予防と、皮膚の代謝を促してシミを排出させるターンオーバー正常化の効果があり、その他にも、エイジング・乾燥・肌荒れケアなど、幅広い効果があります。

●ビタミンC誘導体

壊れやすいビタミンCを改良して安定性・浸透力を向上させた成分で、シミの発生抑制、色素還元、排出という3つの効果があります。
また、保湿・エイジングケア・皮脂抑制の効果もあります。

●トラネキサム酸

肌荒れ改善効果もある成分で、メラニン生成を抑止して新たなシミができることを予防します。
シミや肝斑(かんぱん)の改善に効果があるので、皮膚科の内服薬として処方されることもあります。

●4MSK

資生堂が開発した成分で、メラニン生成を促すチロシナーゼの活性を抑えてシミの発生を防ぎ、皮膚内に溜まったメラニンを排出する効果があります。

●カモミラET

カモミールの花から抽出する花王が開発した成分で、メラニンを作るメラノサイト細胞の働きを抑えてシミの発生を予防します。
また、原料のカモミールには抗炎症作用や収斂作用があり、ニキビや肌荒れの対策にも使われます。

●ハイドロキノン

皮膚科でシミ治療に使われる美白剤で化粧品にも配合されています。正式には美白有効成分と認められていないのですが、メラニンの色を薄くしたり、メラニン生成を抑制する効果があります。
ただし、ハイドロキノンは刺激が強く肌荒などの副作用を起こす可能性があるため、低刺激にしたい場合は、ハイドロキノンを改良してつくられた「アルブチン」が使われます。

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